エピソード#1
「がんばってよー!」
って言われたのがしんどかった。
私たち家族全員がコロナにかかって、外も出れなくなった。
限られた生活に閉じ込められてしまって、私も妊婦の体にムチ打って洗濯も掃除もご飯も頑張った。
ここで免疫落として長引いて、外に出れなくなる期間が長くなるのが嫌だった。
それなのに、頑張ってよーって。
悪気がないし、応援の意味で言ってくれたのも分かってた。
けど、頑張った。
がんばってる。
もっと頑張らないといけないの?
エピソード#2
「頑張ってるのはあんただけじゃないよ」
二人目を妊娠してつわりがピークで、アオも甘えたい盛り。
アオがふざけてるのを注意したら反抗して泣いた。
うまく流せばよかった。
泣いたのがうるさくてイラついた。
私は怒鳴って、アオはビビっていた。
アオも泣き叫んで「ごめんなさい、ごめんなさい」を繰り返した。
それが辛くなって。
けど、抱きしめる事ができなくて。
そんな自分が急に怖くなった。
二人きりのこの時間はいい方向に行かない。
そう感じて私は母に泣きわめきながら助けの電話をした。
今から行くと言ってくれた。
しばらくして来てくれて、私たち2人の中を取り持ってくれた。
母に私の辛い気持ち、限界だった気持ちをぶつけた。
家事に手を抜けない私。
つわりでも踏ん張らなきゃって、ちゃんと働いてる私。
おじさんやアオに尽くしてる私。
ただ、頑張ってるねって言って欲しかった。
なのに、「頑張ってるのはあなただけじゃないからさ」
だって。
知ってるよ?
自分だけじゃないことくらい。
もっと苦しくなった。
エピソード#3
「ずーはがんばってるよ」
結局私を見てくれてるのはおじさんだけなのかも。
私はいつも「全然がんばれてない」って言ったら、
仕事も行って、アオのお世話もして、ご飯作ってるのに?
ずーはずーでがんばってるよ。
他は知らない。
ずーはがんばってるよ。
そうやって声をかけてくれる。
全てが許されて、認められて、解放してくれる。
だから、また踏ん張って行こうって思える。